歯が痛い・しみる

痛い、しみるという症状にはさまざまな要因があります

むし歯になる4つの要因

歯の痛みのほとんどは、むし歯のサインと考えられます。歯は、「むし歯菌」「糖分」「食後から歯みがきまでの時間」「口腔内環境」の4つの要因が重なることでむし歯になりやすくなります。

むし歯菌
むし歯菌

むし歯菌はプラークに棲みつき、食べかすに含まれる糖分を栄養にして増殖、酸を出して歯を溶かします。むし歯菌を低減させるためには、口腔内にプラークを残さないようにすることが大切です。

糖分
糖分

糖分はむし歯菌の栄養になります。口腔内に糖分が残っていると、むし歯菌はそれを栄養にして酸を出し、歯を溶かします。日頃から、できるだけ甘いものは控えたほうがいいでしょう。チョコレートやキャラメル、キャンディーなどは特に口の中に糖分が残りやすいのでご注意ください。

食後から歯みがきまでの
時間
食後から歯みがきまでの時間

飲食をすると、むし歯菌が活発に活動し、糖分を栄養に酸を出すため口腔内は酸性に傾き、歯からカルシウムなどが溶け出します。通常は唾液のはたらきにより、歯の再石灰化が促されてカルシウムが呼び戻されるのですが、酸性の状態が長時間続くと再石灰化が間に合わず歯が溶けて、むし歯になります。食後約30分後が、むし歯菌が活発になるとき。その前にしっかりと歯みがきを行いましょう。

口腔内環境
口腔内環境

むし歯になりやすい人と、なりにくい人が存在しますが、それは口腔内環境が人それぞれ異なるため。口腔内を常に衛生的に管理するとともに、フッ素入りの歯みがき粉を使ったり、キシリトール(※)配合のキャンディーやガムなどを積極的に採り入れたり、むし歯になりにくい口腔内環境をつくる工夫をしてみましょう。

※キシリトールは酸をつくらず、酸の中和を促進するはたらきを持っています。また、むし歯の原因となるプラークを付きにくくし、歯の再石灰化を促すはたらきも持っています。

むし歯の進行段階と治療法
進行段階 症状 治療法
C0
【ごく初期のむし歯】
C0 【ごく初期のむし歯】

歯の表面のエナメル質が溶けはじめ、白く濁っている状態。まだ歯に穴はあいておらず、痛みなどの自覚症状はありません。

適切なブラッシングやフッ素塗布で治ることがあります。

C1
【エナメル質のむし歯】
C1 【エナメル質のむし歯】

歯の表面のエナメル質が溶け、黒ずんでいる状態。冷たいものがしみることがありますが、まだ痛みはありません。

むし歯に冒された部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて治療します。

C2
【象牙質のむし歯】
C2 【象牙質のむし歯】

エナメル質の内側にある象牙質までむし歯が進行した状態。冷たいものや甘いものがしみるようになり、ときどき痛むこともあります。

むし歯に冒された部分を削り、インレー(詰め物)で補います。

C3
【神経まで達したむし歯】
C3 【神経まで達したむし歯】

神経までむし歯が進行した状態。熱いものがしみるようになるほか、何もしていなくてもズキズキと激しく痛むようになります。

神経を除去し、神経が入っていた管(根管)の内部を消毒して薬剤を詰める根管治療を行い、クラウン(被せ物)を被せます。

C4
【歯根まで達したむし歯】
C4 【歯根まで達したむし歯】

歯の大部分が溶けてなくなり、歯根までむし歯に冒された状態。神経が死に、痛みはなくなりますが、歯根部に膿がたまると再び痛みが出ます。

多くの場合、抜歯が必要です。抜歯後、インプラント入れ歯などで失った歯の機能の回復を図ります。

歯がしみるのは知覚過敏かもしれません

冷たい水を口に含んだり、歯ブラシを当てたりすると歯がしみる――それは「知覚過敏」である可能性があります。

知覚過敏とは、何らかの刺激が神経に伝わり、しみる状態をいいます。歯みがきのときに力が入りすぎて歯が摩耗したり、加齢や歯周病によって歯ぐきが退縮したりすると、神経に刺激が伝わりやすくなるため、一時的にしみるのです。

知覚過敏は放っておくとさらに症状が悪化することがあります。以下のような症状があったら一度ご相談ください。

  • 冷たい水がしみる
  • 歯ブラシが当たるとしみる
  • 甘いものを食べるとしみる
  • 歯ぐきに触れるとしみる
  • 以前より歯ぐきが下がっている気がする
知覚過敏になる原因とは?

知覚過敏の原因はさまざまです。おもに以下の場合に神経に触れやすくなるため、知覚過敏が起きやすいといわれています。

  • 歯みがき時の力の入れすぎ
  • 硬い歯ブラシの使用
  • 歯みがき粉の使いすぎ
  • 咬む力が強い
  • 咬み合わせの乱れ
  • 歯ぎしり
  • 歯の亀裂
  • 加齢や歯周病による歯ぐきの退縮

など

知覚過敏の治療法

知覚過敏を改善するには、神経に触れやすい歯質を保護する必要があります。当院では、以下のような治療を行っています。

  • 詰め物による治療・・・神経に近くなっている歯質を詰め物で覆って保護します。
  • マウスピースによる治療・・・マウスピースを使用して歯の保護をします。
  • 薬剤による治療・・・外部からの刺激を和らげるための薬剤を塗布します。
  • そのほか・・・咬み合わせの治療や、歯周病治療などを行います。

奥歯が痛んだら親知らずに要注意

親知らずは20歳前後に生えてくる一番奥の歯。正常な形で生えてくる例が少なく、おかしな方向に生えてきたり、横を向いて歯ぐきに埋まったままになっていたりすることがあります。正常に生えてくれば問題はありませんが、そうでない場合は何らかのトラブルを引き起こすことが多いため、抜歯に至るケースがほとんどです。

親知らずを抜歯するのはどうして?

異常に生えている親知らずを放っておくと、横を向いて生えている歯が隣の歯を押すため歯列が乱れたり、隣の歯との間に汚れがたまりやすくなってむし歯や歯周病にかかったり、歯ぐきに埋まったまま炎症を起こしやすくなったりします。その結果、抜歯の必要性が出てくるのです。

親知らずの抜歯をしたら

親知らずの抜歯は麻酔下で行うため施術中の痛みは少ないですが、歯ぐきにメスを入れる場合もあり、そのときにはしばらく腫れたり知覚過敏を起こしたりすることがあります。歯ぐきに穴があくため患部が気になるかと思いますが、良好に治癒させるためにも以下の点にご注意ください。

  • 術後は出血しやすい状態です。施術当日の入浴(シャワーは可)や飲酒は避けましょう。激しい運動も控えてください。
  • 痛みが出る前に痛み止めを服用しておきましょう。特に麻酔が切れると痛みが出やすいので、麻酔が切れる前に痛み止めを服用するといいでしょう。
  • 術後1週間は傷口に触れないように気を付けましょう。舌で触ることも控えてください。
  • 抜歯後は歯ぐきに穴があくので、よくうがいをして口腔内を清潔に保ちましょう。

難症例の場合は当院が提携している近くの大学病院や外科病院にて対応ができますので、ご安心ください。

院長からのワンポイントアドバイス

むし歯は自然治癒しない病気です。放っておくと進行し、最終的には抜歯が必要になります。そうなる前にむし歯の兆候を見つけ、適切な処置を受けましょう。また、さらに大切なことは、予防。積極的に定期健診を受けましょう。

一生自分の歯で咬むためには、
むし歯に至る前の予防が重要

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